日常使用している漢字の中には、画数が多くて書くのが面倒な文字もあります。

私たちが文字を書く時、ときどき自己流で簡略化して書くときもあります。

手書きならそれでよいのですが、活字となると統一しないと、正式な書類として認められません。

日本では難しい漢字や画数の多い漢字を、活字文字として使用するために当用漢字として簡略化してまとめました。

もともとの漢字を本字とか旧字体というのに対して簡略化された活字文字を新字体といいます。

 中国では、1950年代に文字改革が進められ、異体字の整理と漢字の簡略化が行われました。

すっきりと単純で書きやすい文字にするのが目的でした。簡略化した活字文字を簡体字といいます。

 簡略化する方法としては、大きく次の3パターンに分けられます。

  1.もともとの字形の一部を残したもの。輪郭を残したものもあれば一部だけを残したものもあります。例えば「飛」は輪郭を    
    残して「飞」に、「習」は一部を残して「习」となりました。

  2.複雑な偏や旁を符号化したもの。言偏や食偏のついた文字、例えば「説」は「说」に「館」は「馆」になります。旁を符号化
    したものの例として、「識」「織」は「识」「织」となります。

  3.草書体を楷書のようにして活字化したもの。「樂」「爲」「發」など、日本では行書体を活字化していますが、
    中国では「乐」「为」「发」となります。「東」「車」「長」などは日本ではそのまま使われていますが、中国ではこれらも草書体を用いて
    「东」「车」「长」となっています。(下記図参照)

草書体を覚えると、中国語の漢字に強くなるかもしれません。

漢字は中国で作られた表意文字で、見ただけで意味が分かるという特徴をもっていました。日本は中国から漢字を輸入して、使用していました。

ですからもともとの文字は日本でも中国でも同じです。

しかし、現在では日本と中国とでは見た目も全く違う文字になってしまっています。これは簡略化する方法が違ったためです。

簡単にしてしまったために、漢字の持つ目で見て意味がわかるというメリットが失われてしまった感は否めません。

これは日本でも中国でも同じです。ちなみに台湾や香港では今でも伝統的な字体を用いています。この文字を中国では繁体字と呼んでいます。

孫 過庭   書譜                       文字の対照表

 旧字体   日本の漢字    簡体字
 書  ⇔  書  ⇔  书
 東  ⇔  東  ⇔  东
 樂  ⇔  楽  ⇔  乐
 爲  ⇔  為  ⇔  为
 長  ⇔  長  ⇔  长 
 車  ⇔  車  ⇔  车

第四回 簡体字について ~日本の漢字と中国の漢字~

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