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 あらゆる現象や事物は、万物を生成させる二つの気(陰と陽)と万物を構成する五つの気(木火土金水)の作用によって成り立つという

考え方が古代中国で生まれました。これを陰陽五行説といいます。(もともとは陰陽説と五行説

に分かれていましたが、合わせてこのように呼びます。)例えば方角や色などもこれにあてはめまて考えます(注)。

今回は季節を陰陽五行説からみてみましょう。

 二十四節気はよく耳にする季節の言葉ですが、節気とは太陽の動きに合わせて一年を24に分けたものです
                                                       (表1参照)。

この中に「冬至」と「夏至」がありますが、そこには陰と陽の考え方が反映されています。陽は暖かい気、陰は冷たい気と捉えられており、

「冬至」のことを「一陽来復」の日ともいいます。これは冬至になると、暖かい気が一つ(一陽)生じるということからできました。

冬至を境に陽の気が増えていき、夏至の前に陽気が最大になり、夏至になると今度は冷たい気が一つ(一陰)生じるというサイクルを繰り返す、

これが陰陽説からみた季節です。

 五行説から季節をみてみましょう。

耳馴染みな季節の言葉として「土用」や「節分」がありますが、これらはすべて五行の考え方からできたものです。

 「木」は樹木が成長するイメージから、春を象徴する気になっています。「火」は盛んに燃える炎のイメージから「夏」を象徴する気になっています。

「金」は土の中にある鉱物から、収穫を意味し、「秋」の象徴となっています。「水」は命の源泉であり、泉から湧き出て流れるイメージから、

貯蔵を意味し「冬」の象徴となっています。季節は四つしかありませんが、もう一つ「土」が残っています。

「土」は万物を育成する場所ということから変化をイメージしています。

 季節に置き換えると、季節の変わり目、ということになり「土」が旺盛な時期、すなわち「土旺」から「土用」という言葉が生まれ、それぞれの季節の

終わりに「土用」が設けられました。そして土用の最後の日が、季節の分かれ目、つまり節分となります。

 今では「土用」は夏の終わり、「節分」は冬の終わりというイメージがなんとなくついてしまっていますが、本来は「土用」も「節分」もそれぞれの季節

にあるのです。木→土→火→土→金→土→水→土というサイクルによって季節が移り変わると考えられ(表2)、暦の上に反映されています。



注: 五行のそれぞれに方角と色を配当すると、次のようになります。木は、方角が東、シンボルカラーは青。火は、方角は南、シンボルカラーは赤。    土は中央を意味し、シンボルカラーは黄。金は西の方角でシンボルカラーは白。水は方角が北、シンボルカラーは黒。

表2

第七回  季節の移り変わりと中国思想  ~こよみと陰陽・五行の考え方~

表1